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【呪術廻戦】無下限恋愛

第16章 鉄骨娘


(今日、顕著にそう思ったよ)


 コンビニの前でナンパされてた皆実は、その目に何も映していなかった。

 そこに自分が存在していないみたいに。

 あるいは目の前にいる人間をただの骸だと思い込んでるかのように。


 きっと皆実は、ずっとそういう生き方をしていた。


「無意識だろうけど。皆実は、自分の中で死んでほしくないモノと、死んでもかまわないモノを明確に分けてる。それが人間とか呪霊とか関係なくね」


 おそらく皆実は自分を助けてくれるなら、それがたとえ呪霊でもその手を取るだろう。

 呪詛師に堕ちたアイツのことも慕い続けるくらいだから、きっとこれは僕の考えすぎなんかじゃない。

 皆実はいつでも悪に堕ちれる。

 だから天使なんかじゃないし。

 だからこそ……放っておけない。


「自分の利害のみを指標に、皆実は他のすべてを切り捨てられる。……皆実は、本質的に呪術師に向いてるよ」


 恵はもう何も言わなかった。

 きっと僕の言葉に納得したんだろう。

 悠仁と皆実はイカれてる。


「だから、今日は彼女のイカレっぷりを確かめたいのさ」
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