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【呪術廻戦】無下限恋愛

第11章 自分のために


 呆然とする私を前に、虎杖くんが自分の頬をまた叩いた。


「悠仁。ソイツ、表に出さないようにできる?」

「俺もそうしたいんだけど。言うこときかねーんだよ」


 虎杖くんが溜息を吐くと、今度は頬を押さえてる虎杖くんの手に口が現れる。


《そう逸るでない。貴様には借りがあるからな》

「あっまた!!」

《その娘を貴様から奪う日もそう遠くない。皆実、俺にすべて委ねる準備をしておけ》


 反応しちゃダメだ。

 私のその意図を読んでか、口は言葉を続ける。

 
《言っておくが、俺は此奴よりも強いぞ》


 本当余計なことばっか言う口。

 そもそも昨日五条先生が怒ったのもコレのせいだし。

 私はわざと大きなため息を吐いた。


「こっちも言いますけど、私は強ければ誰でもいいってわけじゃありませんから!」

《ならば、貴様の望むモノをくれてやるだけだが?》

「だからそういう意味じゃ……っ!」


 私が言い返そうとすると、五条先生が私の顔ごとグイッと引っ張った。


(……え?)

「五条先生!? ちょ……っ、え! 何やってんの!?」


 虎杖くんが顔を真っ赤にして取り乱してる。

 私の目の前には五条先生の顔があって。

 キス、なんて。

 嘘でしょ、虎杖くん見てるんだけど。


「んんーーっ!!」

「黙って消毒されなよ。……それか、その無防備どうにかしろ」

「む……ぅ、ん」


 言い返そうとして開いた私の口に、五条先生の舌が入りこんだ。


《ほう……いい顔をする。ますます俺のもとに下る姿が見たいものだ》


 宿儺が笑うと、五条先生は私から唇を離して。

 満足げに宿儺を見た。


「皆実は僕にしかこんな顔しないよ。残念でした♡」


 ベーッと舌を出して、五条先生は宿儺を挑発する。

 けれど宿儺はそんな挑発に乗ることなく、あくまで愉快そうに。
 

《小僧の身体、モノにしたら皆実を奪って、真っ先に殺してやる》


 五条先生に向かってしっかりと呪いの言葉を吐いた。

 対する五条先生も余裕そうに。


「宿儺に狙われるなんて光栄だね」


 五条先生がそう答えると、虎杖くんは自分の手をパシッと叩いた。
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