第9章 ※秘匿死刑②
皆実が僕のズボンに手をかけたから、僕は慌てて皆実の手に触れた。
「なんですか?」
なんですか、じゃねーよ。
トロンと潤んだ目が、僕を見てる。
何を考えてるのか、全然分からないけど。
この状況で、しようとしてることはそれしかないから。
「僕のことはいいから。早く風呂」
「私ばっかりなんて、嫌です」
マジで何言ってるのか、ちゃんと分かってんのかな。
てゆーか、これもしたことあんの?
僕が思考を巡らせてるうちに、皆実が僕のズボンのファスナーを開けて、下着から僕のソレを取り出した。
自分でも見たことないくらい硬く怒張してる僕のソレに、手を添えて。
やけに慣れた手つきなのはきっと気のせいじゃない。
「……っ」
「嫌だったら、言ってください」
いつか僕が言った台詞を、皆実が吐いた。
チュッと、やけに大きく響いたリップ音は……皆実が僕のソレを慰めた音。
皆実らしい遠慮がちなキス。
もどかしくて、物足りないはずなのに、興奮が止まらない。
「ん……っ」
経験豊富じゃないとか、本当よく言ったよな。
「気持ちいい、ですか?」
「……誰に習ったの、それ」
皆実は僕の質問に答えない。
聞きたくはなかったからいいけど。
まあ、聞かなくても答えは分かってるんだけど。
(アイツ……皆実になんてこと教えたんだ)
一瞬、親友の顔が浮かんだけど。
でもすぐに、皆実から与えられる刺激に呼び戻される。