第5章 開会式
バタン、とドアが閉まった。
ドアの向こうに消えてしまったを確認すると、ダンデはその場にドサリと座り込んだ。
「バギュ?!」
「っ・・・リザードン、なんて事をしてくれるんだ///」
片手で赤い顔を覆うと、はぁとひとつため息をこぼした。
リザードンは、ダンデがいきなり座り込んで驚いたが、彼の赤い顔を見てリザードンは理解した。
さっきは何事もなく振る舞っていたダンデだが、がいなくなると途端に体の力が抜けた。
(こんな情けない姿、誰にも見られたくないが・・・咄嗟だったとはいえ、女性をあの様に抱きしめてよかったのか・・・彼女は大丈夫だと言っていたが・・・またキバナにセクハラだとか言われそうだ)
以前のこともあり、ダンデは頭を抱えたくなった。
それでも、自分の腕の中に収まったから香る優しい香りや、自分とは違う柔らかい体を思い出し、ダンデはますます顔から熱が引かなかった。
(彼女を抱き抱えた時も考えないようにしていたが・・・ダメだ、しっかりしろ俺)
パシパシ、と顔を軽く叩くと、ダンデは立ち上がり、リザードンを即足して歩き出した。
(せっかく友達になろうと言ってくれたんだ、この邪な気持ちは捨てよう)
ダンデはそう心に決めると、もうそこにはいつもの、チャンピオンダンデの顔に戻っていた。