第2章 推薦状
【朝7時ごろ】
(昨日キバナ様を拝めたせいで寝るのが遅くなってしまった…)
いつもの癖で朝早くに目が覚めたは、ポケモンセンター内にある一室にいた。昨日の引ったくりを捕まえたおかげで、ずっと会いたかった人物に会えたのは良かったが、あまりの人の多さに逃げてしまった。
(あーあ、サイン欲しかったな)
はゴロリと横に転がった。
隣のベットには、手持ちのゲンガーがスヤスヤと気持ちよさそうに眠っていた。またこっそりモンスターボールから出て、夜の徘徊を楽しんできたのだろうとは苦笑いした。
それから少しして、ゆっくりと体を起こし、ポケモンセンターで用意されていたスリッパを履いて、共同キッチンのある部屋に向かった。
キッチンには旅人のために用意された飲み物があり、はケトルの電源を入れ、コーヒーカップにのコーヒーの粉末を入れた。
『君のハッサム、すごく強いな!』
沸点に達したお湯の入ったケトルがカチッと音がして、はケトルを手にしてカップに注いでいく。
(そういえば・・・ダンデって本当に金色?みたいな目してたなー。すっごい目が合ったけど、てかめっちゃ見られたの???)
ザワザワしていた人混みの中でもはっきりと聞こえたのだ。
(チャンピオンになる人ってやっぱりちょっとオーラが違うんだよなぁ)
うーん、苦手だぁとは思って、手にとったスプーンでコーヒーの入ったカップの中を混ぜた。
フワッとコーヒーの香りが鼻をくすぐった。