第2章 推薦状
−9:10am
ポケモンたちにご飯をあげて、コンディションチェックをしたは今日も街を散策すべく、また必要最低限の物を持ってポケモンセンターを出た。
空を見上げれば晴れ日和。本日の目的にはワクワクと心を踊らせた。
(今日は前に買ったキバナ様特集に載ってたキバナ様おすすめのお店に行って、グッズ買い込んで)
「よっ!待ってたぜ」
ポケモンセンターを出た直後だった。
は本日の予定を組み立てていた時、突然声をかけられたのだ。
「・・・は?え?ええ?!き、キバッ、え?!?!」
「はは、慌てすぎだろ。てかやっぱここにいた」
が驚き、慌てる姿をみてキバナは笑った。
(ここにいたって何ー?!てか、え?キバナ様私に話しかけてくれてるの?私の後ろにいる人じゃないよね?!!私に話してるんだよね!?!?あ、八重歯見えた・・・え、しんどみ・・・(合掌))
ブワワっと一気に顔に熱が集まるのがわかった。
見間違えるはずもなかった。自分よりもはるかに大きな身長、褐色の肌に垂れ目の中に潜むコバルトブルーみたいな目の色。オレンジ色のバンダナ、ドラゴンを思わせるパーカー。
「悪いんだが、ちょっと一緒に来てくれねぇか?昨日のことで色々と聞きたいことがあってよ。あんた気がついたらいなくなってるしさ、どうしようかと思ったぜ。あ、知ってると思うが、俺はこの街のジムリーダーやってるキバナだ。よろしくな」
よろしくな、がの頭の中に響き渡った。
途端にはギュウウウウウウと左胸を抑えて蹲った。
「は?おい、大丈夫か!」
「ぐううううう!だ、大丈夫ですぅうう!ちょっと尊みが天元突破してだけなんで!!」
「天元、突破・・・?」
(私の心臓持ち答えてくれええええ!!!!キバナ様は仕事で私に用があるだけで、デ、デートのお誘いじゃない!普通の!業務で!このミジンコに話しかけてくれてるだけだからああああああ!!!!)
(・・・昨日と雰囲気違うな)
キバナは変な唸り声を上げるを見て少し引いたのだった。
当の本人は気付きもせず。