第5章 開会式
「オリーヴ君の電話に案内をお願いしていた委員の方から連絡が来たと思えば、君はいなくなるし、事情を聞いたダンデ君が探しに行ったと聞いて大体検討がついてたよ」
ニッコリ。
ローズの笑顔を表すならこの言葉が似合うだろう。
はその笑顔の裏に「どこほっつき歩いてたんですか?」と言われていそうだと思っていた。
・・・
ところ変わって、とダンデは、ローズが待っている控え室に来ていた。あれからダンデを先頭に進めど、全く控え室につく気配は一向になく、が通路の壁に貼られていた地図を見つけた。
Your hereの文字を見つけて確認すると、控え室という部屋とはだいぶ真逆のところにいた。
二人で地図を見て苦笑いしていると、「あーーーー!!!見つけましたよーーー!!!」と大声をあげて走ってくる委員の方が来た。
とダンデをを捕獲した女性委員は、半泣き状態でオリーヴに連絡した。そしてすぐに控え室に案内されたが、部屋に入る前には委員の人に謝罪と頭を下げた。
そしてローズが座っているソファーの、机を挟んだ向かいのソファーにとダンデは一緒に座っていた。
「すいません、委員長・・・」
「君が謝ることじゃないよダンデ君。君は無事君を見つけてれたじゃないか。で、君」
「はい、この度はご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」
「わたくしも突然君にアポもなしに呼び出して悪かったと思ってる。そう、今日はおあいこといこう」
「あ、ありがとうございます(次はないってことか・・・)」
「それで君を呼び出したことなんだけど、君に渡したいものがあるんだ」
オリーヴ君、とローズがそういうと、斜め後ろに控えていたオリーヴはのテーブルの前に真っ白の小さな箱をおいた。
は訝しげにその箱を見た。
「・・・あの、これは・・・」
「開けてみてくれ」
(びっくり箱じゃないよね・・・いや、びっくり箱の方がまだいいかも)
ドキマギしながら箱を手に取り、上箱だけを上に引くと、下箱が手の上だけに残り、箱の中に入っていたものが姿を現した。