第5章 開会式
しょぼんと落ち込んだ様子を見せるに、ダンデは困った様に笑い、暗い雰囲気を払う様に優しい声で話しかけた。
「、こっちむいて」
名前を呼ばれたは言われた通り、下に向けていた顔をゆっくり上にあげ、ダンデを見た。さっきまで少し怒っていたダンデの様子はなく、本当に優しく微笑んでいた。
(う、わっ///)
はダンデがあんまりにも優しく微笑むせいで、ビックリして目を大きく開いた。そして別の意味でここから逃げ出したくなった。なのに足は地面に縫い付けられてしまった様に、前にも後ろにも動かない。
「ごめん、ちょっと言いすぎたな。でも心配してたのは本当だ」
「・・・私も、なんか心配かけて、ごめんなさい」
「もし次ワイルドエリアに野宿しに行くなら」
ゴクリ、とは唾を飲み込んだ。
ダンデが何を言おうとしてるか全く予想がつかず、手汗握る思いでダンデの言葉を待った。
「俺も一緒に連れてってくれないか?」
「はい・・・え?一緒に???」
「ああ」
「な、なんで・・・?」
は訳を聞くと、ダンデは困った様な笑みを浮かべて、歯切れ悪そうに、居心地が少し悪そうに話だした。
「いや・・・ローズさんが俺一人じゃ行かしてくれなくてな・・・」
(あ・・・そういえば天性の方向音痴だったなこの人・・・ソニアもホップも1ヶ月ワイルドエリアで行方不明だったって言ってたしなぁ)
はすぐに理由がわかった。
ローズも多忙なダンデがワイルドエリアに行けば、いつ帰ってくるかわからず、仕事に支障をきたす前に言いつけたのだろうと簡単に予想がついた。
それでもは少しわからないことがあり、ダンデに質問した。
「私じゃなくても、キバナ様とかいるじゃないですか」
「前に誘ってみたんだが、どうも予定が合わなくて・・・あいつもジム以外に宝物庫の管理の仕事もあるからな」
「そうですかぁ・・・(年齢の近さでネズとか?でもあの人アウトドアっぽくないし、絶対めんどくさがりそう。ソニアも多分懲り懲りしてそうだし、研究もあるだろうしなぁ)
そしてはある一つの答えに辿り着いた。