第5章 開会式
合掌を終えたところで、は改めて自己紹介をした。
「カントーから来たです。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくね、さん。エンジンシティのジムリーダーのカブだ」
スッと自然に手を出してくれたカブに、は快くそれに応えた。
暖かくて、少し乾燥気味だが大きな優しい手だと思った。
(やっぱりカブさん紳士)
ほんわかした様子の二人をぼんやりとキバナは見ていた。
そして疑問に思ったことを口にした。
「お前、ダンデに手握られた時は逃げたって聞いたけど、カブさんには普通なんだな」
「ダ?!!!」
「え?そうなのかい?もしかして君に無理させちゃったかな?」
カブが申し訳なさそうにしながら、ゆっくりと手を離した。
は慌てて首がちぎれんばかりにブンブン横ぶ振って否定した。
「ち、ちち違いますよ!!私だって普通の握手くらいできますぅ!あの時はダンデさん急にというか、もうちょっと自覚してほしいというか、ビックリしちゃって///!!!てかなんでキバナ様知ってるんですか///?!(あんまり人に知られたくないのにーーー!!!)」
「そりゃお前が俺さまを置き去りにして帰ったからだろ。ダンデのやつ落ち込んでたぜ?」
「ソウデスカ・・・(あの後頭下げられたとか言えない)」
「ダンデが?」
「この俺さまを差し置いて、こいつとバトルしたいらしいから。な?」
「えぇぇ、それはないんじゃないですか?(こっちに話降らないでキバナ様あああああでもその流し目好きです///!!!)」
「いーや、ライバルのオレにはわかる。カブさんも気をつけた方がいいぜ。前に窃盗犯のポケモンを一発KOさせたからな」
「キバナ君も彼女のことを認めてるってことだね。僕ももっとトレーニングしないと!」
「ぐふぅうう!!(張り切ってるカブさん可愛い〜!キバナ様とカブさんの豪華セットで私はもうお腹いっぱいです)」
はその場に心臓を押さえ込んで座り込んだ。
急に座り込んだに、カブは驚き、を心配する様に肩に手を置こうとした。しかし手が肩に触れる間に、キバナがカブの肩に手を置いた。
「だ、大丈夫か?!」
「カブさん、気にしたらダメだ。天元突破っつー発作らしい」
「てん・・・?」