第5章 開会式
バタン、と更衣室にあるロッカーのドアを閉めた。
開会式は終わり、は今日もらったユニフォームをきれいに畳み、鞄の中に入れた。
(正直このユニフォームダサくて好きじゃないんだよなぁ・・・私もジムリーダーみたいなかっこいいのがよかった)
それも大勢の人に見られたと思うと、ますます気が滅入るような気がした。
はぁ、と一つため息をこぼして、は更衣室から出た。
・・・
スタジアムの参加者入り口のドアを開けると、大会委員の女性がを見つけると、こちらに歩み寄ってきた。
「すいません、さんでよろしいですか?私、委員会の者でして」
「あ、はい(こんな展開ゲームであったっけ?なんだか・・・悪い予感がする・・・委員会ってことは、ローズさん・・・だよなぁ)」
「実はローズ委員長から、さんに控え室にお越しいただくようオリーヴさんから言伝をいただいてます」
「(ほら〜〜〜!)あー私これから旅の準備がありましてぇ」
はサッとその委員から目を逸らしながら、いかにも忙しいですと装ってみた。
「! それはこちらもご承知です!お願いします!3分!!いや、1分でもいいのでお願いします!!!じゃないと私が怒られます・・・」
女性委員はお願いします!と両手を組み、祈るように頼み込んできた。
流石に押しには弱いは、断ったことでこの女性委員が後々オリーヴに怒られるかもしれないと思うと、NOと言いづらくなった。
「ひぇ・・・い、1分なら・・・(押し強すぎでは!)」
「ありがとうございます!ではこちらへお越しください!」
(絶対チョロいって思われたわ・・・うう、可哀想な私・・・)
は渋々女性委員の後に続きながら、待合室まで案内されることになった。