第4章 新たな門出
「・・・私、最低なんです。こんなにポケモンたちは私に応えてくれるのに・・・私は・・・」
はさらにギュッとリザードンを抱き込んだ。
その弱々しい姿にピオニーは、が想像よりも抱え込んでいることがわかった。
「おいおい、そんなに自分を責めるのはよくないぞ!もっと元気見せろ!そんなんじゃ、嬢ちゃんのポケモンたちも落ち込んじまうだろ!自分が最低ってわかってんなら、今度はお前が成長するところをこいつらに見せろ!」
「!!」
「こいつらの成長をずっと見守ってきたんだろ?だったら、今度はお前の番なんじゃねぇのか?」
ハッとは目を見開いた。
「わたしの、ばん・・・」
「こいつらに報いたくて俺とのバトルを受けたんじゃねぇのか?言っちゃ悪いが、嬢ちゃんたちがいくら強くても、俺より強いトレーナーには勝てねぇよ。今の嬢ちゃんのままじゃな」
「・・・いえ、ピオニーさんにも勝てませんよ。フルバトルを申し込まれたら、ひとたまりもないです・・・」
ピオニーは手を頭の後ろに当て、ガシガシとかいた。
「・・・つっても、本当はポケモンが傷付くのが嫌なんだろ?優しい気持ち押し殺して、こいつらに勝たせてやりてぇって・・・て、俺スゲーいろいろ言っちまったが、説教くさくなって悪いな!」
すまん!と手を合わせて、片目を閉じたそんなピオニーを、はお茶目な謝り方をすんだなと思った。
そしてリザードンに押し付けて顔を上げて、ピオニーに頭を下げた。
「むしろ言ってもらえてありがとうございます!やっぱりピオニーさんと戦って正解でした!」
「そうか?ダハハ!照れるな!」
そこにはもう暗い空気が漂っておらず、もピオニーにつられてクスクス笑った。