第4章 新たな門出
カレーも食べ終わり、ひと休憩をしてからとピオニーは距離をとった。
「よっしゃ!俺から行くぜ!出てこいボスゴドラ!」
ピオニーのボールから飛び出してきたのは、鉄の鎧を纏うボスゴドラ。
(ボスゴドラ・・・鋼と岩の複合タイプ・・・ここは無難にラグラージを出すのが正解、でも!)
「リザードン!久々に大暴れしよう!」
「バギュア!」
名前を呼ばれたリザードンが、嬉しそうにの前に躍り出た。
ピオニーの前に立つボスゴドラを睨みつけ、グルルと唸ると、向こうのボスゴドラもギッとリザードンに狙いをすましたようだ。
「てっきりラグラージでくると思ったんだが、リザードンか!こりゃ〜暑い戦いになりそうだ!」
「ピオニーさんには申し訳ないですが、この子の強さを見るために選びました。ガールズパワー見せちゃいます!」
とピオニーはお互い頷くと、その場の音がなくなったような気がした。風の音と、のポケモンたちが後ろで静かに見守っていた。
そんなははやる鼓動を押さえるように、ギュッと拳を胸に当て、落ち着け落ち着けと自己暗示した。
「リザードン!かえんほうしゃ!」
「ボスゴドラ!ストーンエッジで防ぐんだっ!」
リザードンの口から勢いよく吐き出された炎がボスゴドラに向かい、ピオニーはそれを防ぐように指示を出した。ボスゴドラは地面に勢いよく足を踏み鳴らすと、地面がら岩が突き出し、リザードンのかえんほうしゃを2つに引き裂いた。
「(やっぱりストーンエッジを覚えてた!なるべくリザードンには当てないようにするには・・・)リザードン、ニトロチャージで距離詰めるよ!」
の指示に素早く反応したリザードンは、炎を体に纏い、ボスゴドラの元へ低空飛行で詰め寄った。
「ド・根性見せろボスゴドラ!受け止めたらかみくだく!」
真正面から突っ込んできたリザードンのニトロチャージを、ボスゴドラはグッと体に力を込め、受け止めた。
「炎タイプは苦手なはずなのに受け止めた?!」
そしてガラ空きのリザードンの首に、ボスゴドラは噛み付いた。
その痛さに、リザードンの呻き声が森中に響き渡り、はギュッと握りしめていた拳を、更に強く握りしめた。
(リザードン!!!)