第4章 新たな門出
「いただきまーす」
は手を合わせて、ホカホカと湯気が立ち上るカレーを食べ始めた。その声に続いて、のポケモンたちも美味しそうにカレーを食べ出した。
「めちゃくちゃ美味え!いやーまじで恩にきるよ嬢ちゃん」
「そんなことないですよ、それにカレーはみんなと食べる方が美味しいですから」
「ダーッハッハ!違いねぇ!」
ピオニーはガツガツと皿に盛り付けられたカレーを食べた。
はまさかこんなところでピオニーに会えるとは思っておらず、未だ信じられないという気持ちで見ていた。
そしてローズとは顔は似ているが、それ以外は全てが異なっていた。
「それにしても嬢ちゃんはリザードン持ってるのか。そこの青いラグラージつったか?こっちじゃ珍しいポケモンだよな」
「はい、私カントーから来たんです。ガラルにはちょっと観光がてら来たんですけど・・・色々あって修行中です」
「修行か!こんな山奥に篭ってすげえな」
「この辺にいる、目があったら襲いかかってくるようなポケモンたちと戦ってたんですけど、最近どのポケモンたちも目も合わせてくれなくなっちゃって・・・」
はぁ、とはため息をついた。
「ダハハ!そんなおもしれぇことってあるんだな!だが、嬢ちゃんのポケモン強そうなのは見てわかるぜ!おっしゃ!これ食い終わったら、俺と戦わねぇか?」
「・・・は?」
「ん?だって嬢ちゃん物足りないんだろ?だったら俺なんか適任だぜ。こう見えても、元ジムリーダーやってたんだ!」
「へ、へぇ・・・意外です〜(ちょろっとチャンピオンしてたこと知ってるんだけどなぁ〜)」
「で、やるか?」
ピオニーはに問いかけた。
はピオニーを見上げると、優しいモスグリーンの瞳と目が合った。
「・・・ちょうどトレーナーと戦いたいなと思ってたところです。元ジムリーダーと戦えるなんて光栄です」
「そうこなくっちゃな!めちゃくちゃ楽しみになってきたぜ!」
バトルをする事になると分かれば、は残りの皿に残されたカレーをジッと見つめた。
(どこまでできるかな・・・)
少しの不安がの心の中でモヤモヤと広がり始めた。