第4章 新たな門出
バトルが終われば、ともう一人のトレーナーは場所を移動した。
砂嵐が舞っていた場所からそう遠くはないが、このワイルドエリアでは天候がコロコロ変わり、そしてエリアによって全然違う顔を見せる。
青空が見える場所まで来ると、は服についた砂や埃を払った。
「ダーッハッハ!お互い砂まみれになっちまったな!」
豪快な笑いでの隣に立つ男は、白いヘルメットを被り、白いタンクトップとオレンジ色の作業着ズボンを着た大柄な男。
「場所指定したのピオニーさんですよ?あーあ、髪の毛バサバサになっちゃいましたよ・・・」
「そんな気にすんなって!ちゃんも楽しそうにバトルしてたじゃねえか!」
「楽しそう、でしたか…?」
砂塗れは勘弁してほしい・・・とは思った。
恨めしげにピオニーを見ると、そんな視線など気づくはずもなく、ピオニーと呼ばれた男は笑っていた。
「にしてもちゃん、だいぶ指示が早くなってきたんじゃないか?」
「いえ、まだまだですよ。昔はこれでも、相手に隙を与える暇もないくらいガンガン行こうぜって感じでした!まだ・・・全然ダメです」
「・・・そうか?必死に打開策がないか考えていただろう?お互い鋼タイプ同士、相性が悪かったしな!ダハハ!」
「そうなんですよね〜。今の技構成変えたくないんですけど、イマイチこう押しきれないと言うか。剣の舞で舞いまくったとしても、きっとニャイキングを倒すのに少し時間がかかってしまいそうですし、仮に特殊技を仕掛けてくる相手に対してももう少し変えたい気もするんです。ピオニーさんのハッサムは確かダブルアタックを覚えてましたよね?ここにノーマルタイプの技を持ってくるのにビックリしました。でも私はもっとこう!ハッサムにはもっと攻めて行きたいって思う技を考えてるんですけど、どう思いますか、ピオニーさん?」
「ちゃんポケモンのことになるとド・おしゃべりになるよな!はじめの頃とは大違いだ!」
「ピオニーさん!私は真面目に聞いてるですよ!」
ダーッハッハ!と笑い続けるピオニーに、はプウっと頬を少し膨らませた。