第4章 新たな門出
そんな不満げなダンデのことなどいざ知らず、は砂嵐が舞う砂塵で、ハッサムに指示を送っていた。
「ハッサム!バレットパンチ!」
「ハッ!」
「ダハハ!ニャイキング、アイアンヘッドで迎撃て!」
「ニャイ!」
ガキン!と、金属と金属がぶつかる音が、砂嵐に紛れながら聞こえた。
ハッサムのハサミが、ニャイキングの元へ素早く打たれ、ニャイキングは指示が出された通り、アイアンヘッドで、ハッサムのハサミを打ち返した。
は視界の悪い中、技をはじき返されて舌打ちをした。
(視界が悪い中での勝負・・・やっぱり鋼タイプにハッサムの技は通りにくい!しかもバレットパンチをはじき返してくるなんてっ)
次の技を支持しなければと考えていると、ニャイキングのトレーナーはそんな時間もくれるはずもなく、すでに相手は次の指示を飛ばしていた。
「来ないならこっちからいくぜ?ニャイキング、タネ爆弾だ!」
「っ!ハッサム、避けながら剣の舞!」
ニャイキングの口から次々と発射されるタネ爆弾を、ハッサムはなんとか避けつつ、指示された剣の舞を踊る。
「シザークロス!」
「じごくづき!」
同時に出された指示に、ポケモンたちの技がまたぶつかり合う。
ギギギギギギと鈍い音を発しながら、ハッサムとニャイキングは睨み合い、力の押し合いをした。かのように思えたが、力比べではニャイキングの方が押されかけていた。
(少しだけど、ハッサムが押してる!剣の舞の効果が出てる!)
「ハッサム!そのまま押し返してつばさでうつ!」
「ハッ・・・サム!」
グッとハサミに力を込めるように、ハッサムはニャイキングのじごくづきをはじき返した。
「ド・根性見せたな!ニャイキング、こっちはとんぼ返りだ!」
「ニャ〜イ!」
距離が取れたハッサムとニャイキングは、また距離を積めるようにぶつかり合った。
ズザザザ、とハッサムはニャイキングとぶつかった勢いで、地面に足をつきながらの元へ戻ってきた。
ニャイキングも相手のトレーナーの元へ、そのままモンスターボールの中に戻ってしまった。
「おっしゃ!ちゃん、今日のところはこれぐらいにしとこうぜ!」
「はい!ありがとうございました!」
その一言ではやっと緊張からとけ、肩から力が抜けた。