第4章 新たな門出
「その人、1ヶ月前に来たんだけど・・・多分、もしかしたら今もワイルドエリアにいるかもしんない・・・」
「ワイルドエリアに?1ヶ月くらいなら多分大丈夫だ、俺も経験したことある」
「(ダンデ君のは迷子でしょ・・・)しかも2ヶ月も籠るって言ってた。あの、ワイルドエリアでよ!」
『2ヶ月』とダンデはソニアの言葉を聞いて、ダンデは口をつぐんだ。
ソニアはそんなダンデの様子に気づかず、話を続けた。
「ポケモンレンジャーの資格を持ってるって言ってたけど、女の子だから私ちょっと心配で・・・」
「女の子・・・」
「強くならないといけないって・・・なんかちょっと切羽詰まってたかも・・・」
(古い図鑑、携帯を持たない、修行、ポケモンレンジャーの資格、女の子・・・)
ダンデは、ソニアが話したことを一つひとつ思い出しながら、一つの答えが思い浮かんだ。
「ソニア、聞きたいことがあるんだ」
「何?」
ダンデは心のどこかで、思い浮かんだ人物でないようにと思いながら、ソニアに問いかけた。
「もしかしてなんだが・・・その人はって名前か?」
「え!?ダンデ君なんで知ってるの?そう、さん!知り合いだった?」
「知ってるも何も、彼女は今度ジム巡りをするトレーナーだ。ローズさんから推薦状をもらっている」
「・・・やっぱり普通の人じゃなかった」
納得した、みたいな顔をしたソニアとは逆に、ダンデは複雑な顔をしていた。
「他に何か言ってたか?」
「え?さんのこと?うーん・・・時々ポケモンセンターには寄るみたいなことは言ってたかも」
「そうか・・・」
ダンデはため息をつきたくなったが、ソニアの手前、それは控えることにした。
(どうりで1ヶ月経っても電話がかかってこないわけだ・・・いや、携帯を持っていたとしても、彼女はかけない気がする・・・)
珍しくちょっとムッとして拗ねているような表情のダンデを見たソニアは思った。
(ダンデ君のこんな不満そうな顔久しぶりに見たな・・・さんと何かあったのかな?)