第4章 新たな門出
【1ヶ月後・・・】
ソニアの元に、珍しい客が来ていた。
ドアのノックにつられ、ソニアがドアを開けると、そこには幼なじみのダンデとリザードンがいた。
「ダンデ君!久しぶりだね、今日はどうしたの?」
「少し調べたいことがあってきたんだ、マグノリア博士のまとめた資料を少し見てもいいかな?」
「調べたいこと?全然かわまないけど・・・ここじゃなんだし、中に入って」
「ありがとう」
・・・
研究所にあるたくさんの本棚から、ダンデは目についた資料に目を通していった。気になったタイトルを片っ端から調べ、5冊目に手が伸びたところで、後ろで作業をしているソニアの手元に目が止まった。
「・・・ソニア、そういえば君はさっきから何をしてるんだ?」
「んー?えっとねー、ちょっと待ってね」
手元に機械をいじる手を、ちょうどいいところでソニアは止めた。
ダンデはソニアの近くに寄ると、彼女がいじっているものを見て不思議に思った。
「・・・随分古いもののようだが」
「うん、この間直して欲しいってお願いされたものなんだけど、今使ってるパーツと全然違ってちょっとてこずってるかな。でもね、これすっごいレアものなんだよ!」
キラキラと目を輝かせたソニアは、うずうずした様子で修理している物を説明し出した。
「実はこれ、なんとあのオーキド博士が最初に作ったポケモン図鑑なの!しかもねっ!この図鑑の修理をお願いした人、この図鑑をすごく大切にしてて、もう私感無量になっちゃった」
「そうなのか」
「でもその人ちょっと変わってると言うか・・・うーん」
ソニアは腕を組み、ダンデにとう伝えればいいか、言葉を探した。
そんな様子のソニアを見たダンデは、彼女を急かすことなく待つことにした。
「まず、携帯持ってないって言われて私ビックリしたわ」
「そうか?たまたま苦手な人なのかもしれない」
「そうかなぁ・・・歳は私たちとそう変わらないか・・・17歳くらいに見えたけど・・・それと、もう一つあるんだけど・・・でもこれはダンデ君からしたら普通かもしれない」
「俺からしたら?」
ダンデは不思議そうに首を傾げた。
ソニアはうん、と頷いて、話の続きをした。