第4章 新たな門出
ホップたち家族と別れて数時間後、はワイルドエリア駅に来ていた。折り畳み自転車を組みあげ、は視界に広がる広々とした視界に胸を躍らせた。
「ここで2ヶ月かー。レッドとシロガネ山で過ごした日々を思い出すなー」
あの時は寒くて大変だったな、とのほろ苦い思い出だった。
ジョウトを回った後、強さを求め、レッドの後を追ってシロガネ山に向かった。
そこでレッドと半年近く一緒に修行をし、はキバナに会いたいと思い、また旅立つことにした。
「あの頃に比べると、2ヶ月ってなんか短く感じるなぁ・・・やっぱりジッとしてられない!2ヶ月で仕上げなきゃいけないんだから!それにジムを勝ち抜いてキバナ様のところに行って勝てば・・・」
(激レアショタキバナ様のカードを手に入れてみせるっ!!!!)
はグッと自転車のハンドルを握りしめる手に力が入った。
そしてもう一人、頭の中で浮かぶ男を思い描いた。
(・・・勝てるのかな、私・・・あんな啖呵切っておきながら・・・うぅ、今になって緊張してくるとか時差ボケ激しすぎじゃない?!)
菫色の長い髪に、黄金を秘めた瞳の持ち主。
このガラルの頂点にいる男、ダンデ。
『おやすみ』
「うっ・・・///!」
そして思い出される昨夜の出来事に、は顔をボンっと一瞬で真っ赤に染めた。
「しゃーーーんなろーーーーー!!!打倒ダンデ!!!絶対倒す!!!」
うおおおおおおお!!!と、は雄叫びをあげ、ワイルドエリアに突っ込んだのだった。