第4章 新たな門出
部屋の扉を開けて入ってきたダンデは、部屋の中央でぐちゃぐちゃの寝袋と、空気の抜けきらないエアマットをを抱きしめたを見つけた。
「・・・」
「あ、あはは・・・転んじゃいました・・・(ごめんなさい無言で見るのやめてください(号泣)!!!!)」
ダンデはただ何を発するべきか咄嗟に思い浮かばず、ジッとを見つめた。それがただただには無言の圧力と勘違いしていた。
「それは・・・」
「ね、寝袋でございますね」
「寝袋・・・」
「・・・はい」
ゆっくりとダンデはに近付いた。
はダンデと視線を合わせないようにただ床を見つめ続け、ゴクリと唾を飲み込み、ギュッと寝袋を抱きしめた。
そして視界にダンデの足が映り込み、は冷や汗が身体中に出るのがわかった。
座り込んでいるの目の前に、ダンデは片膝をついた。
「・・・怪我はしてないか?」
「ダイジョウブデス」
「フッ・・・なんで片言なんだ?」
(ダンデに笑われた・・・)
笑い声を抑えるダンデの声が聞こえ、はますます今の状態が恥ずかしく思えてきた。内緒で寝袋を使おうとしたら、突然のダンデの訪問に驚き、部屋中を彷徨った挙句無様に転けてこの様。
は穴があったら今すぐにでも飛び込みたいと思った。
「しかし寝袋とエアマットか。君は思ったより強情な人だ」
「だから、どこでも寝れるって言ったんですけど」
まだ笑いを抑えるような話し方のダンデに、はブスリと拗ねた子供のように答えた。そんなの様子を見たダンデは、漏れそうになる笑い声を喉に奥に仕舞い込んだ。顔は以前微笑ましく彼女を見ていたが、これ以上彼女の機嫌を損ねないよう努めた。