第18章 それぞれの道
ローズは穏やかな笑みを浮かべたまま、軽く首を傾げた。
「確かに、君にとって突然の話だろうね。でも、実は理由があってね…」
すると、隣で話を聞いていたダンデが、首をかしげて口を挟んだ。
「ちょっと待ってください、ローズ委員長。俺、マネージャーの話なんて聞いてません」
「ああ、君にもまだ話していなかったね。」
ローズはダンデに視線を向けると、淡々とした声で続けた。
「実は、君のマネージャーが産休を取りたいと相談があったんだ。奥さんが出産を控えていてね。」
「えっ、産休…!?」
ダンデは驚いて目を見開いた。
「そうだよ。素晴らしいことだと思うし、当然の権利だ。ただ、その間、君の活動をサポートする人がいなくなる。そこで、君にお願いできないかと考えたんだ」
ダンデはしばらく黙り込み、複雑そうな表情で考え込んだ。
「そういうことだったのか…でも、なんで俺に先に相談してくれなかったんだろう」
「彼は君に余計な負担をかけたくなかったんだろうね。」
ローズは微笑みながら答えた。
「だが、君の活動を円滑に進めるためには、この空白期間をどう埋めるかが重要だ。そこで君が適任だと考えた」
「適任って…無茶振りですよ…私より適任な人、絶対いますよね?それに私は何も知らない部外者ですし----」
「君は、」
ローズのはっきりした声が、の話しを遮った。
「ポケモンへの知識がとてもあると聞いている。それに、他の地方での優勝経験も豊富だ。短いが、仕事の経験もある。向いていると思うんだけどな、サポート役をするのを」
「そ、そうですか…?」
「それから、大会は終わってしまったので、今が一番ゆとりを持ってできることと、給料ももちろん出しますよ。君が望む金額を払ってもいい」
「(うっ…魅力的案件すぎる!お金には困ってないけど、いざって時に貯めておきたいし----いやいや、しっかりして!お金に目が眩んじゃだめ!)だ、ダンデさんはどうなんですか?こんな素人がマネージャーなんて心配じゃ…」
「俺は構わないぜ」
(え〜〜〜〜?!)
は驚いてダンデを見ると、眩しい笑顔を向けられて眩しいと思い、目を閉じたくなった。