第18章 それぞれの道
「実は折り入って君に頼みたいことがあるんですよ」
「無理です」
即答したに、ローズはまるで想定内とでも言いたげな微笑みを浮かべていた。
「まぁまぁ、そう固くならずに。話だけでも聞いてほしい」
(聞いたら絶対断れないやつだこれ!)
は心の中で叫びつつ、全力で首を振った。しかし、ローズの笑顔はまるで鉄壁。微動だにしない。
(ほらやっぱり!診察結果だけじゃなかった!絶対ろくでもないお願いだって!…え、もしかして願い星集めとか?ムゲンダイナのためとか?いやいや、関わりたくないってば!!----でも、今回色々助けてもらったしなぁ…)
葛藤の末、は観念したように息を吐いた。
「は、話だけ…聞きますよ…」
渋々とはローズの話しを聞くことにした。
「誰にでも務まる事ではありません。ですが、君ならできると私は確信しています。それに、嫌なら断ってもらって結構」
(絶対そんな簡単に断れないやつじゃん!!)
は内心で突っ込みつつ身構えた。ローズの「確信しています」の一言が妙に引っかかる。隣で様子を見ていたダンデも、ちらりとを気にするように目を向けてきた。
そして、ローズの口から飛び出した言葉は、の予想を大きく裏切るものだった。
「君、ダンデ君のマネージャーにならないかい?」
「----ん?え?え、マネージャー???はぁ!?」
は目を見開き、反射的に声を上げた。予想の斜め上を行く提案に、脳内が混乱の渦に飲み込まれる。
「そうです、マネージャー」
ローズは涼しい顔で言った。
「ただし、期間は3ヶ月間だけ。ダンデ君の活動をサポートできる人が必要でして。彼を支えられる信頼できる人材が必要なのです」
「いやいやいやいや、ちょっと待ってください!」
は慌てて両手を振り、必死に否定する。
「私、マネージャーなんてやったことないですし、そもそもそんな大役、無理ですよ!」