第18章 それぞれの道
「ダンデったら…あんなに嫉妬丸出しでいいのかな?は気が付いてないみたいだけど心配だな----キバナさん、どうするんですか?」
「んー…こればっかりは俺さまもどうにも出来ねぇっつーか、恋するダンデを見てるのも面白いけどな」
「…酷い人。が自分を好いているからって余裕ですね」
「実際はダンデのこと見えてねーよ、今はな」
キバナはルリナを置いて歩き出した。ルリナも半歩遅れてキバナに続いた。
「インゴが生み出したを、俺は受け止めてやれなかった。あいつはずっと探してたんだ。自分を受け入れてくれる誰かを----今思えば、可哀想な奴だったな」
「キバナさん…」
「それを、ダンデの奴は全部受け止めてやった。悔しいけど、あいつはやっぱカッコいいよな」
誇らしいと笑っているキバナの顔は、どこか悲しみも混じっているような顔だった。これ以上は何もいえないと、ルリナは思った。
「----でだ」
と、キバナは話を続けた。
「これから俺さま達にできることっていったら、もっとポケモンバトルで強くなることだけだろ。俺の目標は変わらない。ダンデの奴を倒す。それからの奴も。負けっぱなしは性に合わないからな」
ニッと笑ってみせたキバナに、ルリナも笑ってみせた。
「そうですね。私はを見守り続けるけど、私も負け続きは悔しい。私も強くならないと」
ルリナも決意した顔をすると、ジムのある方へ歩き出し、キバナもアーマーガータクシーのある場所へ向かった。ジムに戻ったら、早速トレーニングだと、キバナは意気込んだ。
は無事アーマーガータクシーを見つけると、すぐに迷子になるダンデから目を離さないように、なんとか乗ることができた。空から見るバウタウンの街並みに感動しながら、タクシー内ではダンデと他愛もない会話をかわした。
話しをしていると、思ったより早くローズタワー前に着き、中に入った。
すると、待ってましたと白衣を着た男性の医師が二人に声をかけてきた。診断の結果は、なんとローズ委員長がいる部屋で話すことになっており、は嫌な予感がした。