第18章 それぞれの道
ロトロトロトと、ダンデのスマホロトムがポケットから飛び出し、ダンデの顔近くに浮遊した。誰からだろうとダンデは画面を確認すると、その画面には『ローズ委員長』と表示されていた。「すまない」と、一言入れてから、ダンデはみんなから少し離れて電話に出た。
「俺です----ええ、例の二人はフェリーに乗ったのをさっき見送りました----え?ですか?今そこに----」
ダンデがローズと電話をしている間、は石化から意識を取り戻すと、大きく深呼吸した。
「ただいま戻りました」
「おう。もう大丈夫なのか?」
「大丈ばないですけど大丈夫です」
緩んでしまいそうな顔をなんとか引き締め、はサムズアップを見せた。
(あと数日でカントーに帰るから見納めないと!キバナ様…ううううこれから生キバナ様が見れなくなるのは本当に寂しい!ルリナにも会えなくなるのも寂しい…カントーにルリナの出てるモデル雑誌あるかな…)
自分で帰ることを決めたとはいえ、は帰りたくないと思った。ガラル地方に来たのは、新しいポケモンを見たかったこと、そして転生する前から好きだと思っていたキバナを一目だけでも見れたらいいなと思っていた。もうポケモンバトルはしたくないと思っていたのに、またポケモンバトルをしたいと思えるようになった。誰にも知られたくないと思っていた過去も、ジムリーダー達とダンデは知ってしまったが、誰も気にしていない様子には安心した。
(ヨロイ島とカンムリ雪原にも行きたいけど…今度にしよう。あと数年くらいしたらガラルの主人公達が現れるから、その後でも…あーでもムゲンダイナも生で見たいしなー)