第18章 それぞれの道
「本当によかったのか?」
「…ダンデさん」
の後ろからやってきたのはダンデだった。変装なのか、帽子をかぶって、更にフードも被っている。念の為、ダンデや他のジムリーダー達があちこちで隠れて待機していた。もしインゴとエメットがまた何かに何かしないか、慎重に見張っていた。
「彼らのしたことは許されない。俺はまだ怒ってる」
「…いいんです。彼らを待ってる人もいますし…もうこんなことしないって、信じてます」
ダンデはまだ納得いかないような顔をしていた。はそんなダンデを見て苦笑いをこぼした。
「あんな人たちでも、ポケモンのことは大事にしてるの知ってるんです----どんなにバトルをさせられても、ポケモン達が不調なら、無理はさせなかった」
「…それでも、君が苦しんだことは変わらない」
「…確かにあの二人がしたことは許されないですけど、その手を取ったのは私自身だから…早く強くなりたくて近道しようとした私が悪いんです----こんなんじゃ、レッドやグリーンになんて言われるか…はぁあ」
はガックリと肩を落とした。
「レッドとグリーン?」
が呟いた名前に、ダンデは興味を示した。
「えっと、地元の幼馴染です。二人ともバトルが強くて、最後に別れた時も勝てなくて…って、結構前の話しですけどね!」
「それじゃあ…故郷に帰る理由というのは…」
「ダンデさんとバトルして、私なりに強くなったって思ったんですけど、まだまだだったなって」
「…その二人は、俺より強いのか?」
思ったよりも低い声で話したダンデに、は少しびっくりしてダンデを見た。
「え…っと(多分グリーンには勝てるかもしれないけど、レッドはどうなんだろう…)」