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【剣盾】君を待つ

第18章 それぞれの道



 空は快晴。バウタウンの港に止まっている大きなフェリーの煙突から白い煙が上がっている。出発の時間まであと一時間、港にはこれから出発する者、別れを惜しむ友人や家族など、人でごった返していた。まさに出発する日には最高の日である。

 人を避けるように、そこから少し離れた場所でインゴとエメットがフェリーを背に立ち、向かいにが少し距離を空けて二人を見据えていた。

「----本当にいいの?ボク達を野放しにしちゃってモ」

 エメットは普段と変わらない笑みを浮かべてに尋ねた。

「またボク達が君に酷いことするかもしれないヨ?次はもっと酷いことしちゃうかもしれないヨ?」

 首を傾げて怖いことを言うエメットに、エメットは不快な眼差しを一瞬向けるも、あの日警察に突き出さなかったにインゴも不可解だと思っていた。

「やっぱり甘いネ、甘すぎて反吐が出そうだけど、そこが君のイイところダヨネ!そんなんだから、インゴにイイようにされちゃうんダヨ」

「少し黙りなサイ、エメット」

 インゴはピシャリとエメットを叱りつけるも、エメットにはなんの効果もなかった。


「二人のことは、許してません」


 少し顔色の悪いが、やっと口を開いた。しかし、その口調はしっかりとしていた。
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