• テキストサイズ

【剣盾】君を待つ

第17章 始まりの一歩


 を抱えたダンデの横に、ルリナとヤローが付き添うようにスタジアムに向かった。その後をキバナについて行こうとすると、カブがキバナに声をかけた。


「キバナ君、ちょっといいかな」

「何、カブさん」


 カブはキバナにだけ聞こえる声で話し出した。


「ダンデから目を離さないようにお願いします。きっと今、必死に自分を押さえているはずです----特に心を寄せている女性から、あのようなことをされて、心中穏やかじゃないと思うんだ」

「…だから、体のデカいオレさまとヤローを選んだってことか」

「大丈夫だと思うけど、念の為です。彼も男だから」

「…いや、いい判断だと思うぜ、カブさん」


 城で襲われたを抱えているダンデの様子は、明らかにおかしかった。


(今思えば、出会った時からに興味すげー持ってたし、城でが襲われて自覚したっぽいし…いや、とのバトルは純粋にしたかったと思う……)

 キバナは大きなため息をついた。


「が起きたら、どうすっかだな」

「うん、眠っているけど心配だ」


 「頼んだよ」と、カブに言われ、キバナは「任せといてくれ」と、応えた。駆け足でダンデたちの元へ行く途中、インゴとエメットがまだ地面に座り込んでいるのを見かけた。


(…そういえばコイツら盛大に振られたんだな)


 特にインゴはからエグい言葉を送られている。関心すら向けられず、目の前で違う男にときめいている様子も見せられ、一体この男の心境はどうなのだろう----と、そこまでキバナは考えて、辞めた。


(自業自得ってやつだな)



 哀れみの目を向けたが、カブにダンデを見張るよう言われた手前、キバナは歩みを止めることなく突き進んだ。
/ 449ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp