第16章 月と太陽
「楽しそうだな、!」
「うん!すごく楽しい!ずっとバトルしてみたかったんです!ダンデさんみたいな強い人と!こんなに一人の人と長くバトルが続いたの初めて……ねぇ、ダンデさん、私すっごくドキドキしてるの♡!」
「…ッ!?」
は心臓あたりの服を握りしめて、どれだけ自身が今悦びに打ち震えているか伝えた。逆にダンデは驚いたような、動揺した様子で、目を見開いてを見てる。
「…それは…君は……っ」
「? もっと、もっと楽しませて!バトルしよう、ダンデさん!もっと私を----オカシクさせて♡?」
ピシッ…と、ダンデが一瞬化石化したと、キバナとネズにはそう見えた。
(言ってしまいましたか…)
(耐えろダンデ!!お前はどんな時でも最強の男!惚れた女にそんなこと言われたぐらいで動揺するんじゃねぇ!!)
そしてもう一人、その場で気がついた者がいる。
(あらあら… ダンデのあの反応…意外なものが見れたわね)
フフっと、メロンは声を漏らした。
「き、君は……そういうのは、バトル中に言うのは、よくないぞ//」
「???」
何か言っただろうか?と、動揺している様子のダンデに、は首を傾げた。
(アイツの言う『オカシク』は、多分バトルの意味でだと思うぜ、ダンデ…)
「あの男----童貞カ?」
「言うな…そんなこと知りたくねぇんだよ…」
ギリィっと、キバナは歯を噛み締めて、ダンデを歯痒く見て、大きく息を吸い込んだ。
「絶対負けんじゃねぇぞ、ダンデ!お前は、ライバルのオレさまが倒すって決めてるんだからな!!」
「…キバナ」
「あはは♡負けないで、だって、ダンデさん!」
ダンデはキバナを見上げると、キバナの顔は本気で、ダンデは頷いて見せた。来ていたスーツの上着を脱ぎ捨て、元々緩めてあったネクタイも投げ捨て。長袖のシャツを肘の上まで捲り上げた。
そして左手の指を三本高く上げると、それはチャンピオンカップでも見せた、リザードンポーズだ。
「チャンピオンタイムを楽しめ!」
閉じていた黄金の瞳が、真っ直ぐを見据えると、ゾクリと背筋に何かが走り、足が一歩後ろへ下がった。