第16章 月と太陽
「リザードン、火炎放射!」
「ガマゲロゲ、アクアブレイクで防ぐんだ!」
青い炎がガマゲロゲに向けられると、ガマゲロゲはアクアブレイクで水を纏いそれを防いだ。白い霧が一気に立ち込め、メガリザードンの炎がどれほど熱いかを物語っていた。
「ゲロ…」
「ガマゲロゲに冷凍ビーム!」
一瞬の隙も逃さないとばかりに、はラグラージに指示を飛ばす。
「そうはいくか!エアスラッシュ!」
リザードンのエアスラッシュは、ガマゲロゲを狙っていた冷凍ビームに当てて阻止した。
「リザードン、今だよ!ダンデさんのリザードンに雷パンチ♡!」
雷を纏ったメガリザードンの拳は、エアスラッシュを打ち終わったリザードンに真っ直ぐ飛び込んでいく。
「ドレインパンチ!」
しかし、メガリザードンの雷パンチはリザードンに届く前に、ガマゲロゲがリザードンの前に現れ、ドレインパンチで止められた。
そして、ガマゲロゲに雷パンチは一切効かず、逆に弾き返され、メガリザードンは一瞬怯んだ。
「耳を塞げ、リザードン!ガマゲロゲ、ハイパーボイス!!」
ドッと、ガマゲロゲから発せられるハイパーボイスに、メガリザードンは吹き飛ばされた。
「いいぞ!ダンデ!!」
「ダブルバトルもできたのね」
「流石なんじゃ!」
ようやくバトルにも動きが見え、キバナたちは知らずのうちに魅せられていた。これからダンデのダブルバトルを見られる機会は、きっとそう多くない。それもどちらもかなりの腕を持つポケモントレーナー。もしかすると今後一生見ることが叶わないかもしれない。
しかし、メガリザードンがハイパーボイスで吹き飛ばされて動揺するではない。もう一匹のポケモン、ラグラージはしっかりまもるを使って身を守っているし、メガリザードンもすぐに身を起こしてバトル場に戻ってきた。
バトルが長引けば長引くほど、はワクワクが止まらなかった。
(すごい…全然怯まない…逆にリザードンの方がやられちゃった…ああ、ああああ楽しいっ!ずっと続けばいいのに!もっともっと楽しんでいたい!!)