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【剣盾】君を待つ

第16章 月と太陽



 とダンデがバトルを繰り広げているその背後で、スタジアムの横に二人の人間が隠れて待機していた。

「ウワ〜ちゃんすっごく楽しそウ。あんなにハイなの久しぶりに見たヨ」

「…すごいバトル…す、隙が、ない…」


 オニオンはオロオロしながらも、バトルがだんだんと激しくなっていく光景に感心していた。エメットもその様子を感心しながら見守りつつも、あくまで隙を探していた。


「あのメタグロスさえなんとかすれバ、ちゃんの仮面を取れるんだケド…」
「む、無理ですよ…邪魔したら……それに…」
「?」

 オニオンは何かを怖がっている様子だった。


「…今しかないヨ、あのチャンピオンもどこまでもつかわからないシ」

「だ、ダンデさんは、勝ちます!……僕は…信じてます…」

 ずっと落ち着かない様子でいたのに、一瞬オニオンの目に強い意志を感じる目を見たエメットは、少し驚いたようにオニオンを見下ろした。


「…じゃあ、ここにいテ。ボクはボクのやりたいようにするカラ!」


 エメットはモンスターボールを手に持つと、一直線にメタグロスの元へ向かって走っていった。オニオンはエメットを止めようと手を伸ばしたが、エメットは予想より早く駆け抜けていった。


「デンチュラ、メタグロスに電磁波!」


 不意打ちのエメットの登場と、デンチュラの電磁波にメタグロスは驚き、体を後ろへ向ける前に体は麻痺して、メタグロスはその場で痺れて動けなくなった。

「よくやりましタ!我が愚弟!」

「アイツあんなところに隠れてやがったのか!」


 インゴとジムリーダーたちは驚いてエメットを見ていた。エメットはそのまま駆け足を止めず、メタグロスを超え、背を向けているの肩に手を伸ばした。

「!」

「やっ----」


 誰もがエメットが仮面を取ることに成功した、そう思っていたはずだった----あと僅かでの肩に手が触れる、そこでエメットは不自然に体が固まって動けないでいた。

「エメット、お前一体何をしているのですカ!」

 インゴが叱咤の声をあげるが、エメットはピクリとも動かない。驚いているダンデの顔とは対象に、は後ろさえ振り向かない。

 異常だと、エメットは動かない体に冷や汗が出始めた。
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