第15章 真夜中の開幕劇
「あっけなかったですネ」
「…」
シビルドンの放電が収まると、眩しかった視界がはっきりとしてきた。
「それはどうでしょう?」
インゴの隣にいるが、ポケモンたちをしっかり見ながら話した。ネズのタチフサグマが、目を回して倒れていた。
「勝負は、相手がしっかり倒れているか確認するまで、油断はダメですよ♡」
「…アイツのジュラルドン…いったいどこに!」
地面にはタチフサグマだけが倒れていて、ジュラルドンがどこにもいなかった。は嬉しそうに顔を上へあげると、急降下してくるものを見つけた。
「油断しすぎだぜ、ボディプレス!!!」
「!!」
ジュラルドンはドリュウズに向かって全体重をかけて落ちてきた。
「シビルドン、火炎放射!」
「シビビー!!!」
息を思い切り吸い込んだシビルドンが、一気にシビルドンに炎の息を吹きつけた。
「何!?」
まさかシビルドンが火炎放射を覚えているとは思わず、キバナは驚愕の声を上げた。火炎放射が直撃したジュラルドンのボディプレスは大きく的が外れ、別の場所に落下した。
「負けんなジュラルドン!ワイルドブレイカー!!」
「ジュラァア!!!」
「あはは♡!シビルドン、ドラゴンクロー!!」
力強く尾を振ったジュラルドンのワイルドブレイカーに、シビルドンはドラゴンクローで弾き返した。
「荒れ狂えよ、ジュラルドン!ストーンエッジ!!」
「飛び上がって放電だよ、シビルドン!」
ボコ、ボコと、シビルドン目掛けて岩が下から突き上がり、シビルドンは素早く横に避けた。すると、シビルドンの後ろにいたドリュウズも、慌てて横へ飛び退いた。
またしてもシビルドンの放電で視界が眩しくなり、キバナは眩しさから手を顔の前にかざしてなんとか眩しいのを防いだ。視界が晴れると、ジュラルドンはまだ立ち上がっていたが、ビリリと体に電気が走っていた。
「麻痺してやがる!」
「ジュラルドン!!」
麻痺して満足に動けないジュラルドンの元へ、シビルドンが口を開いて狙いを定めていた。
「火炎放射♡」
熱風が当たりに広がり、鈍い音が地面に倒れる音が聞こえた。
「ゲームオーバーですね、キバナ様♡ネズさん♡」
キバナとネズは 目の前が 真っ暗に なった▽