第15章 真夜中の開幕劇
そして今、キバナとネズ、インゴとは激しいタッグバトルを繰り広げていた。
「とっておきのナンバーだよ!みんなに自慢してくれよな!地獄突き!」
ネズのタチフサグマが、シビルドン目掛けて地獄突きを向けた。
「避けてアシッドボムだよ、シビルドン!」
それを避けたのシビルドンは、口から毒々しい液体をタチフサグマに吐きかけた。
「ジュラルドン、アイアンヘッドだ!」
「ドリュウズ、燕返しで弾きなさイ!」
そしてキバナとインゴのポケモンは、硬い鋼同士がガツンガツンとぶつかり合い、お互い一歩も引かない戦況になっていた。
「確かニ、ドラゴンタイプを扱うジムリーダーだけニ、他のとは違うようですネ!」
「キバナ様はダンデのライバルって言ったじゃないですか!強くて当たり前ですぅ♡」
「お前にはあっさり負けているようでしたガ」
「あれは、私がダブルスの方が得意だったせいですね!ごめんなさい、キバナ様♡!!」
「しかしこれはタッグバトル、相手との相性で勝敗は大きく変わル。…そろそろ遊ぶのは辞めテ、力の差を見せて差しあげましょウ」
「本番はこっからですもんね♡!」
インゴとはニィっと口角を上げ、いかにも何かを企んでいる表情を浮かべ、キバナとネズは身構えた。
「何か来ますよ、キバナ」
「ああ、気を付けろよネズ。特に…シビルドン、アイツの技がどれも厄介だぜ」
二人のポケモンたちもそれを感じ取ったのか、ジュラルドンとタチフサグマも身構え、次の攻撃に備えた。
「そう身構えなくてモ」
「どっちも逃しませんよ♡」
「恨むなラ、相手が悪かったと思ってくださイ」
「キバナ様、ネズさん、行きますよー!!」
(来る!!!)
「ドリュウズ、地震!」
「シビルドン、放電!」
グラグラと揺れる地面、そして眩しいほどの電気の光が当たりいっぱいに迸り、キバナとネズは顔を歪ませた。
(逃げらねぇじゃねぇかよ!!クソっ!はめられた!!!!)