第15章 真夜中の開幕劇
ネズも同じくモンスターボールに手をかけると、インゴはいい事を思いついたと、キバナとネズに話を持ちかけた。
「どうせなら二人一遍にかかってきてはどうですカ?それならまだワタクシたちに勝てる見込みがあるかもしれませんヨ?」
「何?」
「タッグバトルですか?いいですねぇ、いいですねぇインゴさん!」
は嬉しそうな声をあげると、インゴも笑みを深めた。
「断言しましょウ。お前達二人じゃワタクシ達と一対一のバトルじゃ勝てないト----ですがタッグバトルなら勝機があるかもしれなイと言う話デス。」
「はぁ?」
キバナから低音な、怒りを感じる声と表情を見せた。
「本気で言ってるのかよ、それ」
「…!」
ギラっと、ドラゴンを思わせるような鋭い目つきが、インゴを貫き、ゾクリとインゴの背筋を震わせた。
「ナメられたものです。タッグでもなんでもやってやりますが、後悔しても知らないですよ」
キバナの隣に並んだネズも凄んだ顔でインゴを睨み、またキバナとは違った迫力があった。
それを見たは、パチパチとインゴに拍手を送った。
「さっすが煽り厨のインゴさん!もう二人ともやる気じゃないですか♡!!でも、この二人をあんまり甘く見てると、痛い目見ますよ?」
「誰に口を聞いているんですカ」
スッと目を細めたインゴが、を睨みつけた。しかし、はどこ吹く風で、気にも止めなかった。
「足引っ張らないでくださいね、インゴさん」
「お前こそワタクシの足を引っ張るような真似をしたラ、またあそこへぶち込みますヨ」
「…!本当ですかぁ♡?またいーーーっぱいバトルできて最高です!むしろご褒美では♡!?」
「…安心しなさイ、帰ったらぶち込んでやる予定でしたカラ…」
「今度はもっと強い人がいるといいなぁ♡」
「…エメットの言ってた裏バトルの話か?」
「多分、そうかと……」
インゴとの会話を聞いていたキバナとネズは、アーマーガアタクシーの中でエメットから聞いた話を思い出し、悲痛な気持ちが胸を痛めさせた。
それは、バウタウンについてアーマーガアタクシーを降りた直前にエメットが口を開いた。