第14章 悪夢は醒めない
ダンデとキバナの間に入り込んで、エメットのスマホを掴み上げたは、キッとエメットを睨みつけた。
「ヤァ、ちゃん!おはよう!あ、今はこんばんはカナ?インゴがごめんネ?インゴより早く君を見つけて、助けたかったんだケド----」
「…んで…」
「?」
「なんで、見せるんですか…」
はエメットからスマホを奪い取ると、ヨロヨロと後ろに後ずさった。
「、体はもう…」
「ッ!!」
ダンデは席を立ち、に手を伸ばした。バシン!と、はその手を大きく払った。
「おい!どうした!?」
様子がおかしいに、キバナも席を立ってに近付くと、は更に後ろを逃げるように退がった。
「…来ないでください…」
消え入りそうな、弱々しい声だった。胸元にスマホを押し付けて、顔を俯かせたから、グズ…っと鼻を啜る音が聞こえる。
「もう、終わった、無理、生きていけない」
「、落ち着くんだ。俺たちは君に何もしない!」
困惑しながらも、ダンデはを落ち着かせようと声をかけたが、は首を横に振って、聞く耳を持たなかった。そこへ、ダンデの肩に手を置いてたエメットが、「僕に任せて」と、目で訴えた。
エメットはダンデよりに歩み寄ると、優しい声でに話しかけた。
「ちゃん、落ち着いテ。ごめんネ、ボクだってこんなことしたくなかったんダヨ?でもインゴのことを話すとなったら、君のことを知ってもらわないと…」
「あんなの私じゃない!知られたくなかった!!なんで?何でエメットさんがグチャグチャにしちゃうの!?私の味方じゃなかったんですか?!」
エメットを涙で濡れた目で睨みあげたの顔には赤みが刺し、初めて怒ったところを見せた姿に、ダンデ、キバナ、ネズは驚きつつも静かに二人を見守った。
「味方だヨ。だから助けに来たんダ。すっごく心配してたんだヨ?あの時、君は約束の場所にいなかったカラ…でも、もう大丈夫!ボクは君のこと、知ってル。迎えに来たんだヨ、ちゃん?」