第14章 悪夢は醒めない
「君は…!」
ダンデはを強く抱きしめて、扉から出てきた人物を睨み付けた。ピリッとした空気に、キバナとネズもその男を警戒して身構えた。
「はぁ、インゴのやつ…ボクまで警戒されちゃって困るんだヨ」
「何しに戻ってきた?」
「こいつがを襲ったやつか?」
「ちょっ!待って待って!!ボクはエメット!顔はそっくりだけど、ボクたち双子!!」
一層警戒を強め、三人に睨まれたエメットは被っていた帽子をとり、両手を軽く上げた。明るみになった顔は、先ほど逃げていった男に瓜二つだったが、待とう雰囲気と着ている服の色が全く違った。
「ボクはそこにいるちゃんを助けるために来たノ!…と言っても、遅かったみたいだケド…」
申し訳なさそうな顔で、エメットはマントに包まれているを見た。
「お前は何者なんですか?」
「ボクはの元上司みたいなものカナ?ちなみに僕の兄のインゴが、彼女の直属の元上司で----ボクたち、サブウェイのバトルトレインで働いてるんだけど、聞いた事なイ?」
「確かイッシュ地方で流行ってるっていうバトル施設だったか?」
「うん。でもイッシュ地方のはボクたちの親戚が担当してて、ボクたちはまた違う地方でやってるんだけど……まぁその様子だと、ちゃんから何も聞いてなさそうだネ----様子から見て、その子を匿うみたいだけど、ボクも連れてってくれなイ?」
「…どうする、ダンデ?」
キバナはダンデをチラリと見た。
「完全に信用はできないが、をこのままにはできない…それに俺たちには圧倒的に情報不足だ」
「胡散臭いですが、俺もダンデに賛成ですよ。」
「胡散臭いって…はぁーーーそうだよネ。じゃ、ボクのモンスターボールも、所持品全部調べてもらってもいいヨ----でも、ボクが言うことは全部本当のことダヨ」
ニヒルに笑うエメットに、本当に信じていいのかと、ダンデ、キバナ、ネズは、薄寒さを覚えながらも全てを知っていそうなエメットに続いた。