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【剣盾】君を待つ

第13章 囚われの心


「お前は本当に変わってませんネ…逃げなければ、優しくしてやったと言うのニ…」


 両膝を地面につき、を膝の間に挟むと、両手でを優しく抱き込んだ。先程の力強く、拘束するような力は一切なく、振り解いて逃げ出せてしまえるくらいだ。

 それでも、もうは立ち上がって逃げることもできなかった。体は依然震えており、シクシクと泣き続けていた。

 完全に抵抗しなくなったに気を良くしたインゴは、片方を手をドレスの後ろの金具に手をかけた。ジジッと、ジッパーが腰まで下げられ、ドレスが全体的に緩み出した。

「!!」

 流石に様子がおかしいと思ったが顔を上げると、パチンと、ブラジャーのホックが外された音が聞こえて、顔を青ざめさせた。


「イ、ンゴさん…な、何、を…」

「まだ、終わってませんヨ」

 の耳元に顔を寄せると、優しく耳に噛みついた。

「ヒッ!!!」

「…お前が居なくなったせいで…屈辱でしたヨ、お前のような小娘ごときガ」

 ガッと、剥き出しの肩に思い切り噛み付いた。

「いっ!!!?痛いっ!いたぃ、ふっ…んーっ!!!」

 またインゴに口元を手で覆われ、は苦しそうに鼻から大きく息を吸って、吐いた。この恐怖いつになったらいつになったら終わるのだろうか----両手はドレスがこれ以上下がらないように、胸の上で必死に掴むことしかできない。完全にインゴの手の中に落ちてしまい、は静かに涙を流した。


 大人しくなったに気を良くしたインゴは、噛み付いていた肩から口を離すと、首筋と肩に痛々しく残った歯形を見て、微笑んだ。ちゅ、ちゅ、と優しく首筋にキスを落とし、時々吸い付いたりした。

 痛々しい歯形の周りに、赤い花が咲き出し、それはの白い肌によく映えた。

「ああ、よくお似合いですヨ…哀れなお前には、特ニ…」

 真っ白な噛み跡も何もない白い肩にちゅ、と口付けを落とすと、は弱々しく首を横に振った。

「んんっ…」

 インゴは笑みを深めた。
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