第12章 踏み外したステップ

「本当にご迷惑をお掛けしました…」

　はみんなに頭を下げた。


「キバナ、お前はの目には有害すぎるので消えてください」

「え」

「そうですよ、キバナさん。これ以上を可笑しくさせないでください」

「俺さまのせいなのか？お前ら酷すぎないか？」

「まぁまぁ二人とも、キバナ君もわざとじゃないんですし。さんがちょっと過激なファンだったんだわ」

「ちょっとどころじゃねぇですよ」

「えへ///」

「褒めてもねぇですから」

　非難の目を向けるネズとルリナに、キバナは困惑した。ヤローのフォローも、照れ出したもネズのツッコミで全てが無に帰った。


「…まぁ、コイツが可笑しいのは今に始まったことじゃないですが（今後マリィには近付けさせない）」

「ちょっとネズさん、誤解を生むような言い方はやめてください！」

「そうね…（どうしてキバナさんなの…）」

「え、ルリナ…？」

「むしろ今のが通常運転だろ」

「き、キバナ様までぇ…（認めてくださってる///？？？）も、もう良いじゃないですか！この話は！ここまで！ここまでですっ！！！」


　これ以上この話を蒸し返されるのは困ると、は強制的に話を終わらせた。



「そ、それより！打ち上げって何するんですか？」

「例年通りなら、ローズ委員長の挨拶から始まるんじゃ。そろそろ始まる頃だと思うんですが…」

「それから今年のチャンピオンのスピーチ、と言っても今年もダンデだけど」

「ダンデさんも毎回スピーチを考えるの大変そう…」

「いーや、あいつ結構ノリノリだぞ」

（あ、なんか想像できる）


　は容易にダンデがスピーチをこなす姿め頭に浮かんだ。


「それが終われば自由だが、スポンサーに挨拶回りとか、たまに新規のスポンサー契約とかもあるぜ」

「そうなんですね（ジムリーダーって大変なんだなぁ）」

「貴方と契約したいスポンサーがいるはずよ」

「…え？私とですか？」

「だって貴方、今年の準優勝者じゃない。あのダンデをギリギリまで追い込んだあの試合を見て、何も思わない人なんていないわ」

「…」

　「良いところが見つかるといいわね」と、微笑んだルリナにはどう返していいかわからなかった。