第12章 踏み外したステップ
「ネズさんもスーツ着るんですね、なんか新鮮というか…(ちゃんとスーツ持ってたんだ…ネクタイはちょっと派手だけど)」
「似合わないでしょう」
「そんなことないですよ!かっこいいです、とっても!」
「…」
少しだけ着崩してはいるものの、様になっている姿にはサムズアップを送った。ネズもシャンパンを係りから受け取ると、一口だけ口につけた。
「あ、カブさんとメロンさんだ」
別のドリンクバーでカブとメロンが何か飲みながら話をしている様子が見れた。気のせいでなければ、カブさんの顔が少しだけ赤い…。
「あれはもうダメですね」
「メロンさんに捕まったら終わりじゃ」
ネズとヤローが悟ったような目でカブと見ていた。
「カブさん…グレーのスーツとかかっこよすぎでは?渋イケおじGJ」
「、何を言ってるの…?」
カブの心配はしつつも、すっかりカブの着ているスーツに目がいっているに、ルリナは静かに突っ込んだ。
一行はメロンに見つからないよう静かにその場を後にした…。
「ごめんなさい、カブさん!カブさんのことは一生忘れないからっ!!」
「いや、死んでませんからね」