第3章 迷走
(・・・笑った!)
じゃれてきたリザードンの相手をしていたら、の方から柔らかい雰囲気を感じたダンデはそっちを見た。すると、今まで驚きや緊張で強張っていた彼女ではく、微笑んでいる彼女が目に移り、目が大きく開いた。
「ダンデさんって、本当にリザードンが好きなんですね」
「・・・ああ!」
「それにリザードンもダンデさんのこと好きって伝わってきました」
はダンデのリザードンに手を伸ばし、優しく頭を撫でた。
手から炎ポケモン特有の温かい温度が手に伝わって、少し冷えた手が温まった。
に撫でられたリザードンは気持ちよさそうに目を細めて、もっと撫でてくれとの手に頭を擦り付け出した。
「わ、結構人懐っこいんですね、この子」
「普段はそんな奴じゃないんだが・・・」
「そうなんですか?」
グルルルルと顎の下を撫でると、気持ちよさそうに声を出してすり寄ってきた。
(猫みたい・・・)
「リザードン、ちょっと甘え過ぎだぞ」
「・・・バギュウ」
ダンデに注意されたリザードンは、申し訳なさそうな鳴き声を出して、私を見ていた。そんな少ししょぼくれたリザードンの姿をは少し可愛いと思ってしまった。
「全然大丈夫ですよ!私もリザードンは大好きなので」
自分の相棒もリザードンだからか、ついはダンデのリザードンを甘やかしてしまいたくなった。
「また今度遊ぼうね!」とリザードンに言えば、リザードンは「バギュア!」と元気そうに鳴いて応えてくれた。