• テキストサイズ

【剣盾】君を待つ

第10章 チャンピオンカップ


『8』


「リザードン、立ち上がって!」



『7』



「がんばれ、リザードン!」



 とダンデも、今すぐに寄り添ってあげたい気持ちをグッと抑えながら、相棒の名前を呼んだ。



『5』



 すると、一匹のリザードンが目を覚まし、体を起こし始めた。


「リザードン!!!」

 
 はなんとか起き上がったリザードンに声をあげた。



『3』


 そしてもう一匹のリザードンも目を覚ますと、重たい体をなんとか起き上がらせた。


「負けるな、リザードン!!!」


 ダンデも声を上げた。



『1』



 レフリーのカウントが止まった。つまり、試合続行を意味をしていた。





 しかし、グラリと揺れだした大きな体がスローモーションのように前へ倒れていくように見えた。ズズンと、オレンジ色の巨体がフィールドに倒れ込むと、土埃がまった。





『----リザードン、戦闘不能!よってこの勝負…ダンデの勝利っ!!!』






 レフリーの放送で、鎮まっていたスタジアムに一気に声が広がり戻ってきた。花火が一斉に空へ打たれ、観客たちは席を立って祝賀の言葉を二人のトレーナーに送った。


「リザードン!!!」


 は急いで倒れ込んだリザードンの元へ駆け寄り座り込むと、頭に手を乗せて撫で上げた。


「かっこよかったよ、リザードン…頑張ってくれて、ありがとう」

「……」

 閉じていた目の片目をあげてを見上げたリザードンは、目を潤ませていたが、笑っているを見て、フンっと鼻息を一つ鳴らして目を閉じた。

「…私、すごく楽しかったよ…リザードンも楽しかったでしょ?」

「…」

「……帰ろっか、マサラタウンに。ちょっと休んだら…また旅に出よっか」

「…バギュ」



 はダンデの方に振り返ると、リザードンに飛びついて少年のように笑っているダンデがいた。喜びを分かち合うようにリザードンの頭を撫でているダンデに、は微笑んで見ていた。

 リザードンをモンスターボールに戻して立ち上がると、土埃を手で払ってダンデの元へ向かった。
/ 449ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp