第10章 チャンピオンカップ

「ドラゴンクローで粉砕！！」

　次々に飛んでくる岩を、メガリザードンは鋭く尖らせた爪で岩を砕いた。

「（だいもんじ、ソーラービーム、エアスラッシュ、そして原始の力…技の構成は特殊のみ。さっきドラゴンクローを止められた時、疲れているとはいえメガ進化したリザードンにも負けないパワーを持ってた。近付くのも危険だけど…）リザードン、火炎放射！」


　最後の岩を切り刻むと、メガリザードンは青い炎を吹き出した。


「エアスラッシュで打ち消すんだ！！」


　対してダンデのリザードンは、羽を力強く羽ばたかせ、火炎放射を打ち消した。


「「飛べ、リザードン！！」」


　そして同時に指示を出したとダンデのリザードンたちは、羽を羽ばたかせて空に舞うと、空中でぶつかりあった。


「リザードン、火炎放射！」

「リザードン、だいもんじ！」


　二匹のリザードンはその場で飛び止まり、同時に炎を吐き出した。赤い炎を青い炎がぶつかり合うと、熱波がブワッと体を通り過ぎた。


「雷パンチ！！」


　火炎放射とだいもんじがぶつかった場所を、メガリザードンは雷パンチで振り払い、リザードンを殴りつけた。雷パンチは横顔に当たり、リザードンは後ろへ飛ばされた。
　しかし、飛ばされる直前に、自身の尻尾を鞭のようにメガリザードンの横顔にたたきつけ、メガリザードンも叩きつけられた方向へ飛ばされた。


　地面に落ちた二匹のリザードンはすぐに体を起こすと、荒い息を吐きながらお互いを睨みつけていた。炎を同時にぶつけ合い、リザードンが一気に距離を詰めて迫ってきた。

（雷パンチを受けたのにまだあんなに…！）

　真っ向から向かってきたリザードンに、メガリザードンも身構えて受け止めると、今度はジリジリとメガリザードンが後ろへ押され始めた。


「っ！負けないで！リザードン！！」

「！」


　の声を聞いたメガリザードンは、グッと足に力入れ、爪を地面に食い込ませると、どんなにリザードンが押しても、それ以上後ろへは進まなかった。

　すると、突然ボッとメガリザードンの尻尾の炎が大きく燃え上がった。押された分以上にリザードンを押し返すと、リザードンの尻尾の炎もボッと、大きく燃え上がり、後ろへ押されなくなった。