第10章 チャンピオンカップ
ついにダンデのリザードンに、しっかりしたダメージを与えることができた。メガリザードンの雷パンチは、キョダイマックスをしたリザードンの横っ面を殴りつけた。
キョダイマックスをしても、リザードンは炎と飛行タイプのままであり、効果は抜群だ。が、キョダイマックスをしたリザードンにはまだまだ打ち込み足りない。
ダイロックの効果で、フィールドに砂嵐が起こった。
ダンデのリザードンは顔を殴られる前の位置に戻すと、空中で羽ばたいて様子を伺っているのメガリザードンを見た。
すると、リザードンから唸り声のような音がスタジアム中に響き渡ると、突然リザードンは大きく吠え出した。その大きな声には咄嗟に耳を塞いだ。
地響きまでが起こり、ビリビリと体の髄まで響く迫力に心が震えた。
「もっと熱くなれ、俺のリザードン!お前の本気はこんなもんじゃないだろう!!キョダイゴクエン!!!」
スゥゥウウウと、リザードンが大きく息を吸い込むと、最初に吐き出した火の鳥がより熱く、大きな姿で吐き出された。さらに火の温度が上がったリザードンのキョダイゴクエンに、は冷や汗が流れた。
「その火は受けないで!逃げて、リザードン!!」
メガリザードンはの言う通り、火の鳥に背を向けて全力で空を飛んだ。その後を火の鳥がものすごい速さで追いかけ、すでに熱くなっていたスタジアム内は更に熱くなった。
砂嵐で視界も悪い中、熱く乾燥した空気が混じり、体力がジワジワと奪われ始める。
(キョダイマックスをしたリザードンの体内の炎は摂氏温度は約2000度!雷パンチを喰らってさっき吠えたせいで、火力が更に上がってるこの状況でアレを喰らうのだけは避けないと!)
メガリザードンはもうスタジアムの1/4を既に周り、の後方をメガリザードンと火の鳥がすごい勢いで通り過ぎていった。
それを追い詰めるようにキョダイマックスしたリザードンは地面を割って前に進み出た。
「そっちがその気なら…リザードン!雷パンチ!!」
「ギュア!!!」
なんとかの声を拾ったリザードンは、右手に雷を纏わせ、大きく羽を幅たせながらキョダイマックスリザードンへ向かって行った。