• テキストサイズ

【剣盾】君を待つ

第10章 チャンピオンカップ



 青い炎が向かってくる火の鳥と触れた。火の鳥はまるで生きているかのように暴れ出した。しかし勢いまでは止めることはできず、直撃は免れなかった。


「リザードン!あの火の鳥を突き破って!!」

「バギュア!!」


 リザードンは炎を吐き終えると、大きくなった翼をバサッと広げた。両足に力をこめて飛び上がったその衝撃で地面にヒビが入り、青い炎に苦しんで向かってくる火の鳥の真正面から突っ込んでいった。

 のリザードンが火の鳥に飲み込まれ、姿が見えなくなると、会場にいた全ての人が息を呑んだ。しかし、それも一瞬の出来事だった。火の鳥の背中が盛り上がりだすと、そこからまるで地獄の炎から這い上がってきたドラゴンが飛び出してきた。食い破られたような火の鳥は、青い炎をまといながら、地面にゆっくりと降り注いく。


「いけっ、リザードン!雷パンチ!!!」


 のリザードンは右手に雷を纏わせると、キョダイマックスしたリザードンのところまで一気に飛んでいった。


「ッ早い!リザードン、ダイロックだ!!」


 予想より遥かに早いスピードでダンデのリザードンに詰め寄るメガリザードンに、ダンデはメガシンカが強力な強化だと瞬時に理解した。防ぎようも避けようもない大きな岩が、キョダイマックスしたリザードンの前に聳え立つと、それはゆっくりと傾きだした。

 自分の方へ傾いてくる巨大な岩を、メガリザードンは恐れず真っ直ぐに突き進んだ。雷を纏った拳を強く握り締め、岩を睨みつけた。




(いくら君のリザードンがメガシンカをした所で炎タイプなのは変わらない。弱点はつかせてもらう!)

 全く油断ならないとリザードンの強さに、ダンデの集中力は研ぎ澄まされたいた。一瞬も目を離してはいけないと、遠くにいる、赤い炎と青い炎がチリジリに空から降り注ぐを見つめた。


(----それが、本当の君なんだな)



 目の前に巨大な岩がメガリザードンを押しつぶそうとしているのに、からはその恐怖が一切感じさせなかった。むしろ困難が降りかかるほど、どう乗り越えようかと、更に目の輝きが増した気がした。

/ 449ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp