第10章 チャンピオンカップ
「---やはり相棒はリザードンだったか」
ダンデは確信を持っていたように、のリザードンを見て呟いた。
「グルルルルルルル」
のリザードンは、キョダイマックスしたリザードンを見上げ、唸り声を上げた。
「準備はいい、リザードン?」
はリザードンに声をかけると、リザードンは顔だけ振り返ってを見た。は右手につけている手袋に手をかけると、そのまま脱ぎ捨てた。右手をリザードンにかざすと、その右手の薬指にはキラリと光る石をはめた指輪があった。
「私たちの絆の力、見せてあげよう!」
リザードンの首輪にも同じような石がつけられており、共鳴するようにキラキラと輝き出した。の指輪から光が溢れ出し、リザードンに吸い込まれるように光が向かっていた。
「リザードン、メガシンカ!!!」
その掛け声とともにリザードンは眩い光に包み込まれ、翼は大きく、形も変化した。頭のツノも少し伸びだし、両の口端から青い炎が大きく漏れ出した。
メガシンカの光がなくなると、オレンジ色だったリザードンの肌は黒くなり、青かった目は真っ赤な色へ変化していた。その変化に初めてメガシンカを生で見たであろうガラル地方の人々は、どよめきの声が聞こえた。が、リザードン同士のこれからのバトルに、会場は更に盛り上がった。
「どっちのリザードンが強いか勝負です!ダンデさん!!」
「望む所だッ!!!」
二人は爛々と目を輝かせると、お互いのリザードンに指示を出した。
「チャンピオンタイムを熱くする!リザードンよ、キョダイゴクエンだ!!」
ダンデは右手を大きく掲げ、リザードンポーズをとった。キョダイマックスをしたダンデのリザードンは、一息吸い込むと、大きな炎の塊が一瞬で口の中に出来上がった。
それをメガシンカしたのリザードンに向けて大きく解き放った。
解き放たれた炎はやがて大きな鳥の姿に変わり、は巨大な火の鳥が襲いかかってくる光景を目にした。
「リザードン、火炎放射で向かい打って!!」
のリザードンも大きく一息吸うと、青い炎が口の中で溜まりだし、向かってくる火の鳥に向かって吐き出した。