第10章 チャンピオンカップ
「エアスラッシュだ!!!」
リザードンは羽ばたかせている翼をより大きく羽ばたかせ、かまいたちのような、鋭い空気の刃がラグラージに向かってきた。
「岩陰に避難して!」
ボロボロになったフィールドには、ドサイドンやドラピオンの技であちらこちらに大きな岩が転がっていた。ラグラージはその一つに身を潜めると、エアスラッシュはその岩を大きく削って破壊した。
(岩も切り裂くほどの威力!)
次々とエアスラッシュが降り注ぎ、ラグラージも次の岩へと移動していった。
「(どうにかして地上に降ろさせないと…)ラグラージ、その砕けた岩をリザードンに投げつけて!」
「ラグ!」
自分より遥かに大きい岩をラグラージは軽々と盛り上げると、空中を飛んでいるリザードンに勢いよく投げつけた。しかしリザードンは軽々とその岩を避けると、またエアスラッシュを放ってきた。
「隠れてばかりじゃ俺のリザードンは倒せないぜ!」
「ッ…それも、そうですね!」
煽りとも取れるダンデの言葉に、は一瞬ムッと顔を顰めたが、このままでは埒が明かないことは確かだった。煽られたのなら、煽り返せばいい!
「そっちも飛んでばかりじゃ私のラグラージは倒せませんよ!」
「ああ、そのようだ!」
ダンデはの煽り返しにニッと笑った。
「ラグラージ、冷凍ビーム!」
「もう一度だいもんじだ!」
(またソーラービームを撃つ気!?)
ラグラージが冷凍ビームでだいもんじを抑えている少しの間、はリザードンがだいもんじを吐き出した後、どう動くのか見張っていた。
「降りてこい、リザードン!」
「!」
ダンデは飛んでいるリザードンに降りてくるよう指示すると、リザードンはその場で急降下して降りてきた。
「ラグラージ気を付けて!!そのだいもんじは避けて!」
二発目のだいもんじも威力は大きく、全く冷凍ビームで抑えきれなかった。ラグラージは素早く大文字を避けると、ドシン!と近くに何かが降りてきた。
「君の望み通り、地上戦だ!」
「それはどうも…お気遣いありがとうございますッッ!!!ラグラージ、冷凍----」
ビームと言い切る前に、地上に降りてきたリザードンはラグラージに勢いよく鋭い爪で襲いかかってきた。