第10章 チャンピオンカップ
【ダンデ目線】
「これからですよ、ダンデさんっ!」
「!」
ニッと俺に笑ったに、心臓がギュッと一瞬で握り潰された----ような気がした。それでも彼女の姿は、昨日の夜のあの弱々しい姿のカケラは見つからない。
笑った。
ただそれだけが頭の中に浮かんだ。状況はどう見てみ、彼女が不利だ。剣の舞で攻撃力が上がっていたとしても、俺のオノノクスにはあまり効果がない。きっと彼女のことだ、オノノクスが地震を覚えているとわかって距離をずっと詰めてきている。
「アイアンテールで弾き返せ!」
思えば彼女とは似ている点が多いと思っていた。だからだろうか、どうして、なんのためにトレーナーになったのか---そう言った彼女の言葉に、俺も、その答えを探していた。
俺は約束した。また君が楽しいと思える、最高のバトルをすると----でもそれは、俺も望んでいたこと。俺もずっと待っていたんだ、俺を……。
「受けて立つ!全力で来いっ!!!」
「!!」
俺をこんなにワクワクさせてくれるポケモンバトルを、ずっと待っていたんだ。君を見つけたあの日から、ずっと、俺の望みを叶えてくれるであろう君を!!
「オノノクス、俺たちも全力で行くぞ!地震だ!!!」
「ギャオ!!」
「サイコカッターでオノノクスを止めて、ハッサム!!」
「ハサッ!!」
もし俺たちが似ているなら、俺が今楽しいと感じているこの気持ちは、彼女も今思っているんだろうか?いや、そう思っててほしいって俺が勝手に思っているだけだ----けど、今の彼女を見ていると、その期待にもっと応えたくなるんだ。