第10章 チャンピオンカップ
(メタグロスが負けた…そんな…コメットパンチもアームハンマーも効果抜群のはずなのに……)
ほんの少しだけの隙が、メタグロスを戦闘不能にしてしまった。「お疲れ様、ありがとう」と、はボールに戻したメタグロスに呟いた。
「……ふぅ」
大きく息を吐いて、目を瞑った。
(集中----もう隙は見せない----)
パン!と、両手で頬を叩いた。ジンジンする頬は、少し赤くなっていた。
「ここからですよ、ダンデさん」
(…!!)
キッとダンデを見据えると、は次のモンスターボールを手に取り、フィールドに投げ込んだ。青い体が姿を表し、二つの黄色い目がドサイドンを睨み上げた。
「来たか…ラグラージ」
ダンデは目を細めると、とラグラージを同時に見た。
(まもる、冷凍ビーム、地震…厄介な技持ちのポケモンだ…ネズ、キバナでさえ手を焼いたやつだ……気を引き締めていかないとな!)
前方にいるドサイドンを見ると、連続で攻撃を仕掛けたせいか、ゼイゼイと荒い息を吐き出していた。ラグラージとも相性は悪く、次の攻撃で戦闘不能になるだろうと確信した。
一度戻すべきかとダンデはボールに手をかけそうになった。
「ドサイドン、地震だ!」
「ラグラージ、地震!」
ドサイドン、ラグラージが同時に地面を踏み鳴らすと、大きな揺れがスタジアム中を揺らした。フィールドは二匹の強力な地震でひび割れ、二匹も耐えるようにフィールドに立っていた。
「ラグラージ、冷凍ビーム!」
地震の揺れが少しおさまったのを見計らって、先に攻撃を仕掛けたのはだった。ラグラージはドサイドンに向けて口を開くと、冷たい氷ーのビームを放った。
「ストーンエッジで防ぐんだ!」
ドサイドンの前に下から突き出して現れた岩によって、冷凍ビームはドサイドンに当たらなかった。ストーンエッジの岩はラグラージに向かっていく。
「----ラグラージ!そのストーンエッジの上に飛び乗って!」
もう少しでストーンエッジがラグラージに当たると思った時、静かに状況を見ていたは声を上げた。