第10章 チャンピオンカップ

「落ち着いて、メタグロス！サイコキネシスで引き剥がして！」

「メッタァア！！」


　メタグロスは腕に巻き付いているドサイドンにサイコキネシスをかけると、ドサイドンは絶対離してものなるかと強くメタグロスの腕にしがみついた。


「メタァアア！！！」

　一向に離れようとしないドサイドンに、メタグロスはイライラした様子でサイコキネシスの力を強めていくが、ドサイドンは腕から離れようとしなかった。

（これ以上は…っ）

　苦しそうなドサイドンの様子に、は眉間に皺を寄せた。

「メタグロス、アームハンマーで振り払って！」

　サイコキネシスを解くと、ドサイドンに掴まれている腕をメタグロスはゆっくりと振り上げていく。


「今だ、ドサイドン！手を離してメタグロスにメガホーンだ！！！」

「！！！」

　メタグロスの腕にしがみついていたドサイドンは、スルリとメタグロスの腕から離れると、頭の上にあるツノが白く輝き出した。

「メタグロス！サイコ…」

　慌ててメタグロスにサイコキネシスと言おうとしたが、ドサイドンはメガホーンは既にメタグロスの目前に迫っていた。

　ガチン！と、鋼とツノが衝突する音が響き、メタグロスは体がのけぞらないよう、踏みとどまろうと後ろの足に必死に力を込めて耐えた。

「メタグロスの下に潜り込んでもう一度メガホーンだ！！！」

　ダンデはこのチャンスを逃すものかと、ドサイドンに指示を送った。二度目のメガホーンはメタグロスの体の真下から突き上げられた。またしてもガツンと鈍い音が響き、さすがのメタグロスも後ろの足だけでは耐えきれず、吹き飛ばされた体は大きく後ろへ倒れ込んだ。

「メタグロス！！！」

「これで決めるぜ！地震！！！」


　ドサイドンが大きく足を踏みしめると地面が大きく揺れだし、メタグロスのいる所には地面が裂け、は膝と手を地面につけて耐えた。


　そして地震が収まると、目を回して動けないメタグロスがいた。

「メタ、グロス…」

『メタグロス、戦闘不能！』


　激しく戦った二匹のバトルに、ワッと歓声がスタジアムを包みこんだ。


「……」


　うるさいくらいの歓声なのに、は倒れて動けないメタグロスを方然と見ていた。