第10章 チャンピオンカップ
「地震で足場を崩せ!」
ダンデのドサイドンが、大きく足を踏み鳴らしたことで起こった地震に、メタグロスの足場は大きく崩れ、効果抜群の技に苦しそうな声を漏らした。
「アームハンマー!!」
しかし耐久力の高いメタグロスは、地震を耐え切ると、自身の鋼の腕を振り上げ、ドサイドンの振り下ろした。一瞬意識が飛んだように見えたが、ドサイドンはギロリ、とメタグロスを睨みつけた。
「ストーンエッジ!」
「コメットパンチで打ち砕いて!」
地面から飛び出してくる岩を、コメットパンチで打ち砕いた。
「サイコキネシス!」
メタグロスがドサイドンを睨みつけると、重量280キロもあるドサイドンを軽々と浮き上がらせ、そして地面に叩きつけた。
(距離を取られないようにしなきゃ…アームハンマーで素早さが下がってる今、なるべくこの距離を保ちたい…ダンデなら、どうする…ヒートスタンプも効果抜群の技だけど、あれは自分の体重が相手より重い程効果がある技…どうやって私のメタグロスを崩してくるか)
起き上がったドサイドンを冷静に分析し、ダンデの次の手に集中した。
(攻撃してこない…俺の手の内を探っているのか…距離を取らないのはドサイドンに地震をさせないため。コメットパンチやアームハンマーの攻撃範囲内だからだ…だからと言って、無闇に技を仕掛けてこないのは、それだけ警戒されている、ということだ)
「さて、どうしたものか」と、ダンデは内心思いながらも、ペロッと下唇を舐めた。
「ドサイドン、ストーンエッジだ!」
「連続でコメットパンチ!ドサイドンごと攻撃!」
またしても地面から出てきた多数の岩を、メタグロスは前進しながらコメットパンチで打ち砕き、コメットパンチが届く範囲に入ったドサイドンに拳を振り上げた。
「(耐えてくれ!!)受け止めろ!ドサイドン!!」
「グァアアア!!!」
鋼のように硬いコメットパンチはドサイドンの懐を突いた。グルルルル…と、ドサイドンの唸り声が聞こえたが、ドサイドンはメタグロスの腕に抱きつき、離すものかと強くメタグロスを睨みつけた。
メタグロスもまさか腕を掴まれるとは思っておらず、腕を引こうとすると、ドサイドンがズルズルと引きづられた。