第10章 チャンピオンカップ
「大丈夫か、ドラパルト?」
「ルパァア!」
ダンデはドラパルトに声をかけると、ドラパルトはその場でクルリと回って見せ、まだまだ大丈夫だと言っているようだった。
「油断はするな、一度戦ったお前ならわかるだろ?」
「ルァ!」
ドラパルトは少し傷付いてはいたが、大きなダメージは受けていないとわかったダンデは内心安心した。しかし、すぐに気持ちを切り替えて前に向き直った。
「----来るぞ!」
完全に煙が晴れると、ゲンガーは傷付きながらもすでに新たなシャドーボールを作っていた。
「行け、ドラパルト!」
ダンデの指示を受け、ドラパルトは一直線にゲンガーへ飛び込んでいった。
「シャドーボールだ!!!」
ドラパルトもシャドーボールを作り出すと、ゲンガーの放ったシャドーボールにぶつけた。
「ゲッ!」
シャドーボール同士が当たり破裂すると、地面に片足をつけていたゲンガーはその爆風に飛ばされた。起きあがろうとすると、ビリリと体が痺れて動けずにいた。
「ゲンガー!!!」
「シャドーボール!!!」
もちろんこのチャンスをダンデが見逃してくれるはずもなく、ドラパルトの放ったシャドーボールがゲンガーへ直撃した。
シャドーボールに当たったゲンガーは吹き飛ばされ、ゴロゴロとフィールドを転がった。すぐの近くまで転がってきたゲンガーは、目をグルグル回し、起き上がらなかった。
『--ゲンガー戦闘不能!』
レフリーの判定で、ゲンガーは戦闘不能を言い渡された。
「ゲンガー!」
はたまらずゲンガーに走り寄った。ゆっくり体を起こすと、まだ意識がふわふわしているのか、片目は閉じたままだった。
「頑張ってくれて、ありがとう…」
「…ゲ、ン……」
ゲンガーは開けていた片目を閉じ、穏やかに寝息を立て始めた。ゲンガーをモンスターボールに戻すと、は元の場所に戻った。
「行くよ、メタグロス!」
メタグロスのモンスターボールを取ると、それをフィールドに投げ入れた。
(負けたくない…負けたくない!この人に、勝ちたい!!)
ダンデを見据えると、ダンデはフッと笑ったような…気がした。