第10章 チャンピオンカップ
一度相手にしたゲンガーの手の内はわかるはずなのに、次はどんなバトルを見せてくれるのだろうと、ダンデはワクワクして仕方がなかった。しかし、彼女の狙い通りにしてやるほど、甘い性格もしていない。
「距離を取るんだ、ギルガルド!」
手に持った盾をゲンガーに向かって振り切ると、ゲンガーはサッと後ろへ一歩下がって、体をのけぞらせた。
「行くぞ!徹底光線!!!」
ブレードフォルムになったギルガルドに、眩しい光が急速に集まり出した。
「ゲンガー!マジカルシャインの用意をして!!」
ゲンガーはに言われた通り、キラキラ光りだした両手をギルガルドに向けた。今にでも放たれそうな徹底光線を見ても、ゲンガーは余裕の笑みを浮かべていた。
「ゲンガー!マジカルシャイン!!」
眩しい光が大きく光り、ギルガルドに向かって放たれた。その眩しさに、ギルガルドは空いていた手で目を光から守った。
「もう遅いぜ!徹底光線!!!」
キィィィイイン----と、耳に痛い音がギルガルドの徹底光線から聞こえ、解き放たれた徹底光線がゲンガーのマジカルシャインをも掻き消した。
徹底光線の光りが晴れると、スタジアムにはギルガルドしかいなかった。フィールドには技の威力が如何に強いかを表すかのように、フィールドは一筋の抉れた道できていた。
ギルガルドは、姿が消えたゲンガーをキョロキョロと探したが、フィールドにも、空にも浮かんでいなかった。
「どこへ行った…」
ダンデも同じくゲンガーを探したが、その姿を確認することができない。
「油断するな、ギルガルド!どこかにいるはずだ!」
「ギッ!!」
ギルガルドは気を引き締め、フィールドを慎重に見回した。
その時、ギルガルドの後ろにできた影がグニャリと不自然に動き、赤い目とニヤリとした口が浮かび上がった。
「後ろだっ!!!」
それに真っ先に気が付いたのはダンデだったが、ガラ空きのギルガルドの背にゲンガーは既に手を向けて待っていた。
「シャドーボール!!!」
の指示で、ゲンガーは既に作っていたシャドーボールを急速に大きくし、その背に放った。